第3回定期演奏会

 最近結婚した筆者の友人がこのようなことを言っていた。

「実際、財布を預かってみるとちゃんとやりくりするのがほんとうに大変だって身をもって感じるなあ」

独身時代、諸書の事情から懐が少々淋しくなることはよくあってもそれ程切実に実感することはあまりなかったということか。

直接に収支に関ることで、その状態を肌で感じるというのは家計のやりくりに限ったことではあるまい。たとえば、オーケストラの運営などもそういったところであろう。

練習場の確保、本番会場の手配、指揮者・ソリスト・トレーナー諸先生との交渉、はたまた楽譜・特殊楽器・印刷等々、運営陣の仕事は多岐にわたる。

それらの出費の前提となるのが団員の支払ういわゆる「エントリー費」というものであるが、その管理にあたる役員は、いうなればオーケストラ家の主婦ということになろう。

酒席で以前よくきかされたはやし言葉に「今日のお酒がのめるのは○○さんのおかげです」というものがある。これに運営陣全員の名前を入れるのは『子ども』としては当然のことなのである。