第2回定期演奏会

 午後6時10分、都内某所。

 既に集まっているメンバーが音出しを始めている。何やら話し込んでいるのは、当団の運営陣の面々。チューニング前の光景というものは、いずこのオーケストラも大差なかろう。

 練習開始。本日も、全員集合というわけには行かぬのは、私説アマチュア・オケの悲しさ。特に出足が揃わない初期段階の練習では、手薄なパートはどうにも肩身が狭いような気がするものである。かく申す筆者なども、そうした状況の経験者。

 それでも1日数時間の練習を終える頃には、その数時間が奇妙に短かったことに気付かされることが多い。その日の練習で不出来だった箇所が残るときはなおさらである。かくして、俗にたまった状態の人々は、それを解放すべく呑み屋と急ぐことになる。

 翌日、午前10時。昨日の練習場付近、又は都内の交通至便な場所に住むメンバーの家では、何故か家内人口が増加しているという現象が生ずるらしい。或いは、別の団体にも所属しているメンバー同士が、昨日と全く同じ服装をしているのを発見するといった事態も、珍しいことではない。

 このような不思議に淀んだ時間の推移は、演奏会の当日まで繰り返される。そして、いくらかの時を置いて後、多少の入れ替えはあるものの、似たような顔ぶれが再び集う。詰るところ、演奏会当日の悦びもさることながら、日々の練習とそれに付随する時間が、このようなアマチュア・オケの大きな愉しみなのであろうか。

 本日の演奏会後、日頃の練習と変わらぬ、否、何層倍にも規模を拡大した“愉しみ”が、人々を待っている。“До свидания(また会おう)”と杯を乾し、その言葉通りになることを期待したい。